東工大など、生命の起源に係る異分野融合研究の成果を発表
発表日:2019.02.13
東京工業大学、ソウル大学校および北海道大学の研究グループは、化学と生物学等の融合により、約35億年前の地球に存在していた生物とその活動状態を立証した。人類を含む多くの生物は酸素呼吸を行っているが、「硫酸塩還元細菌」は酸素以外の物質を利用して呼吸することができる。同研究グループは、当該細菌の代謝に起因する硫黄安定同位体(質量数:32,33,34)の構成や、硫酸塩還元プロセスにおける「アデニリル硫酸(APS)還元酵素」の役割に着目し、太古の海底堆積物に記録された同位体の比率(以下「太古」)と、現生の細菌を培養して実験的に酵素の働きを再現して得られた同位体の比率(以下「再現」)の比較検討などを行った。その結果、1)当該酵素が関与する反応が硫酸塩還元の律速段階であること、2)太古と再現の同位体構成は酷似していることが見い出され、3)太古の環境は代謝に必要な電子ドナー(水素など)に富み、活発な還元反応が行われていたこと(硫酸塩還元細菌の繁栄していたこと)が示唆されたという。
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