東大、自己修復力を持つ電極材料の原理検証に成功
発表日:2019.06.04
東京大学の研究グループは、充電により自己修復し、電池の長寿命化に寄与する電極材料の開発可能性を提示した。充電できる容量が限られていることや、充電・放電を繰り返すことで性能が低下することが、電池の一層の普及における阻害要因となっている。同研究グループは、安価な二次電池として期待されているナトリウムイオン電池の正極材料「ナトリウム含有層状酸化物」結晶のX線回折の結果などを踏まえて、充電(ナトリウムイオンの脱離)すると、電池劣化の原因となる構造の乱れが徐々に消失し、完全に充電すると構造の乱れが無い状態に自己修復されることを見出した。また、この自己修復は充電・放電の繰り返し後でも生じることや、イオンと空孔がクーロン力により強く引き合うことで乱れの無い構造へと自発的に変化し、自己修復されることも確認された。さまざまな電極材料の自己修復能力の発現や、二次電池の長寿命化などへの貢献が期待できるという。
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