（株）島津製作所は、燃料電池内の酸素濃度の分布を光学的に計測し、リアルタイムで可視化する装置を世界で初めて開発し、2009年9月1日より発売を開始すると発表した。同装置は、半導体レーザー、高感度CCDカメラなどの光学系からなる本体部と、制御回路と安全機構を搭載した制御部で構成され、PCによってデータ処理を行うシステム。今回、新規開発した酸素濃度試薬と高速データ処理機能により、燃料電池の正極における酸素の消費状況をリアルタイムで把握できるという。また、静止画像だけでなく、最大1秒間に30コマの動画像データを取得することが可能で、酸素の利用状況の経時変動を確認できる「見える化」を実現。今後、酸素の利用状況から反応がスムーズに行われているかを確認し、燃料電池の問題点や性能向上の手がかりを探ったり、構造や材質、発電条件等の最適化を図ったりするなど燃料電池の研究開発に活用されることが期待されるという。