埼玉大、バイオ燃料の安定生産へ応用可能な「強光耐性」に関する仕組みを解明
発表日:2019.10.03
埼玉大学などの研究グループは、光合成の強光耐性の新たな仕組みを解明したと発表した。従来、微細藻類を用いた有用物質(バイオ燃料など)の生産では、強い光に照らされたることで、光合成の光阻害(光合成機能の低下)が起きることが課題となっており、光合成の強光耐性を高める研究開発が望まれていた。同研究グループは、微細藻類シアノバクテリアが、より強い光環境で生育するとその環境に慣れること(強光順化)に着目した。強光順化の際にタンパク質合成を担う翻訳因子(EF-Tuタンパク質)が光合成を光阻害から保護することを明らかにし、強光順化したシアノバクテリアは、EF-Tuタンパク質の量が増えて光合成の修復能力が上がり、光合成が強光に強くなることを突き止めた。今回解明した仕組みをもとに、微細藻類の強光耐性を高め、強い太陽光の下でも安定なバイオ燃料生産が可能となることが期待されるという。
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