JAEAと福島大、セシウム海洋流出・第3経路のモデル化に関する研究成果を発表
発表日:2020.01.15
(国研)日本原子力研究開発機構(JAEA)と福島大学は、河川を通じて海洋へ移動したセシウム流出量の計算モデルを開発し、阿武隈川を含む複数の河川における福島第一原子力発電所事故の直後から2017年までの流出量を評価した。事故に由来するセシウムの海洋流出については、2つの経路(直接放出、大気中に放出されて地上に降下)が主に評価されてきたが、第3の経路として「河川を通じた流出」があると考えられている。しかし、河川の観測には労力・時間を要することから、事故直後のモニタリングデータなどが不足しており、第3経路のセシウム推定が困難であった。こうした課題を克服するため、両者は簡易な河川流出モデルと事後から数か月後以降の観測データを組み合わせた計算モデルを開発した。事故から約半年間、河川を経由したセシウムの流出量は29兆Bqと算出され、直接放出(3,500兆Bq)・大気経由(7,600兆Bq)よりも2桁程度小さい解析結果となった。河川ごとに、降雨に対応するよう時間単位で、長期間にわたって適用可能な計算モデルであるという。
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