国環研、水草に対する気候変動の影響を解明
発表日:2020.06.04
国立環境研究所は、全国各地の湖沼に分布している水草の存続しやすさを解析し、気温や降水量といった気象条件の影響が大きいことを明らかにした。近年、日本の湖沼では水草の種類が減少しており、衰退の要因として水質悪化や除草剤の影響などが指摘されてきた。同研究所は、これまで検討があまり進んでいなかった「気候変動」の影響を調査するため、先行研究で構築したデータベースなどを用いて、1900~2010年台までの間の、全国248湖沼・58種の水草の構成内訳(沈水植物/浮葉・浮遊植物)や種ごとの変化要因を分析した。その結果、変化要因の影響の程度は、気象要因の影響を14.0%受けていることが分かり、湖沼の地形学的特徴(25.4%)および周辺環境(10.5%)に加え、温度上昇・降水パターンの変化といった気候変動の影響を受けてきたことが明らかになかった。2/3の種で気候変動による統計的に有意な影響が検出され、水中で花粉のやり取りをする植物は降水量が多い地域で存続しやすいことなど、これまで気づかれていなかった傾向も示唆されたという。
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