国環研など、「気候安全保障」の概念導入に関する先駆的な研究成果を発表
発表日:2020.10.01
国立環境研究所と防衛省防衛研究所の研究者は、「Climate Security(気候安全保障)」の概念を導入し、日本では看過されてきた気候変動リスクや論点を解明した。欧米では1990年代から「気候安全保障」を用いた論文が公表されているが、現時点では用語の定義などに統一性がなく、国際的な議論のなかで日本が検証しきれていない概念のひとつとなっている。今回、両者は過去の主要な論文等をレビューすることで、気候安全保障の定義分類を行うとともに、日本における議論の実績や論点化の可否などを評価した。気候安全保障は4つの概念(長期的かつ不可逆的な地球規模変化、個人への短期的かつ突発的なリスク、紛争や暴力の根源的要因、軍事力や防衛力への影響)に区分できることが分かり、別な用語に置き換えられているため気候変動との関係が不明瞭となっている課題があることや、世界では精力的に議論されている紛争や暴力の根源的要因、防衛の分野における適応策に関する議論が日本では不十分であることが明確になったという。
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