森林総研など、アカシア植林地のN2O発生抑制対策を検証
発表日:2020.12.01
森林総合研究所および京都大学の研究グループは、アカシア植林地における亜酸化窒素(N2O)の発生抑制効果を検証した。N2Oは、地球温暖化係数がCO2の約300倍とされるGHGで、窒素施肥や自動車排ガスのみならず、大気や樹木の落葉等に含まれている窒素が土壌中に固定され、硝化・同化、脱窒菌が作用する過程からでも排出される。同研究グループは、マメ科樹木が根粒菌を形成し、窒素に富む落葉がN2Oの大きな発生源になり得ることから、丸紅(株)の紙パルプ原料生産拠点のひとつであるインドネシア・南スマトラ州のPT. Musi Hutan Persadaの所有林に、マメ科樹木のアカシア伐採跡地に再びアカシアを植栽したサイトと新たにユーカリ(非マメ科樹木)を植栽したサイトを設け、4年間にわたりN2O発生速度の調査を行った。その結果、両サイトの差は僅かであり、伐採前に高まった土壌中の窒素循環量がユーカリ植栽後も高く維持されたことが示唆された。より長期的観測が必要と思われるが、大規模な植林地では樹種の転換以外のN2O発生量軽減策を並行検討することが望ましいという。
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