国際協力機構（JICA）は、2021年12月3日、ケニア共和国政府と技術協力プロジェクト「地熱発電事業における蒸気供給管理能力向上プロジェクト」に関する討議議事録（R/D）に署名した。ケニアの電化率は周辺国よりも高い水準にあるが、人口の約25％は電力にアクセスしていない。一方、ケニアには世界有数の地熱資源が賦存しており、総発電量の4割以上を地熱発電で賄っている。これまでJICAは、同国において円借款を活用した地熱発電所の建設・改修事業を数多く実施し、地熱資源の探査技術や評価、掘削技術に関する能力強化や開発計画の策定を支援してきた。今回、新たな地熱発電所の建設等が期待されているメネンガイ地熱地帯を対象として、資源量を再評価するための一斉噴気試験の実施支援、同地域で進められている蒸気供給事業の最適化、新規地熱開発地帯の開発計画見直しや、事業化に向けた計画策定等を支援する。ケニアの地熱開発公社の蒸気供給業者としての能力向上を図り、SDGsの目標7への貢献、ひいてはGHGをほとんど排出しないクリーンな電源の開発を通じた目標13への寄与を目指す。