国環研など、GOSATのメタン観測結果(年ベース)を速報
発表日:2022.03.10
国立環境研究所は、温室効果ガス観測技術衛星GOSAT(愛称:いぶき)のメタン観測データから、2021年1~12月における全大気平均濃度の年平均値が1,857 ppbと算出され、運用開始以降、最大の年増加量(17 ppb)になったと発表した。同研究所は、環境省・宇宙航空研究開発機構(JAXA)と共にGOSATプロジェクトを推進している。GOSAT は2009年に打上げられ、12年以上にわたり二酸化炭素とメタンのカラム平均濃度の観測を継続している。GOSAT(以下「1号機」)の成果は、各般のプロダクトデータ提供や、観測データに基づく推定結果(速報値)の公表といった形で公開されている。プロジェクト専用サイトが整備されており、一般の方も「地球大気全体」のメタン平均濃度や経年的な推移などを知ることができる。地球温暖化のリスクを予測する上で、地球大気全体の平均的な温室効果ガス濃度を速やかに把握・算定する取組が重要となっている。また、2021年11月に開催されたCOP26では、メタンの排出削減に関するイニシアチブ(グローバル・メタン・プレッジ)が創設され、世界的にメタンの濃度監視や排出管理の重要性が認識されつつある。1号機に次いで2018年に打上げられたGOSAT-2の運用、さらには3号機(温室効果ガス・水循環観測技術衛星、GOSAT-GW)の開発(打上げ目標:2023年度)を進めつつ、GOSATシリーズの取得データに基づく解析結果(例:メタン濃度の季節性、経年変化の傾向に係わる新知見など)の検証を継続していくという。
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