ベトナム南部の一般廃棄物処理事業に700万USDを融資(JICA・ADB)
発表日:2022.12.09
国際協力機構(JICA)は、ベトナムの南東部に位置するビンズオン省の廃棄物処理事業者に対し、最大700万米ドルを供与する融資契約を締結した。ビンズオン省は、ホーチミン市を中心とした南部経済圏の主要な省の一つ。ベトナムにおける外資の受け皿となっており、製造業をはじめとした多くの日系企業が投資をしている。急速な都市化と工業化により、都市部における廃棄物が急速に増加しており、同省の一般廃棄物量はホーチミン市、ハノイ市に次ぐ2, 661トン/日に上っている。今回の融資先であるBinh Duong Water Environment Joint Stock Company(BIWASE)は同省唯一の廃棄物処理事業者で、本邦のJFEエンジニアリング(株)が3.87% の株式を保有している。JICAは、2007年から同省の水環境改善事業に対する支援(円借款事業)を行っており、2020年にはBIWASEの上水道拡張事業に対する海外投融資の実績がある。今回の融資は、2019年11月に日本政府が発表した「対ASEAN海外投融資イニシアティブ」に資するもので、アジア開発銀行(ADB)との協調融資により実施される。同省では、ウクライナ情勢を受けた肥料価格の高騰が続いており、肥料の安定的な供給が課題となっている。今回の融資は、主に廃棄物を堆肥化するプラント(840トン/日規模)の設備投資に充当される。廃棄物発電設備を併設した焼却施設(200トン/日規模)の建設も計画されており、域内の都市環境改善および循環型経済の実現への寄与も期待される。