噴火でリセット、原初の生態系解明への一歩!令和5年度西之島総合学術調査概要
発表日:2023.09.04
環境省は、令和5年度西之島総合学術調査事業の概要を発表した(調査期間:令和5年9月11日~20日)。西之島(小笠原諸島)は、そのほとんどが新たにできた陸地で、原初の生態系の成り立ちについて直接観察できる世界でもごく稀な島。同省では、自然の遷移をモニタリングしつつ、人為的影響を可能な限り与えないままにその価値を見守ることが重要と考えている。西之島は令和2年度の大規模な噴火で、島の様相が一変した。今回の調査では、令和2年度の大規模噴火以降の原初の生態系の生物相や噴火の遷移過程等を明らかにし、今後のモニタリングや保全に役立てることを目的としている。今回は、海洋島における自然環境や生物の専門家を中心とした調査団を派遣し調査を行う。令和3年度から噴火警戒範囲が縮小されていないため、ドローン等を活用した陸域調査と周辺海域での海域調査を中心に実施する。陸域調査はドローン等による撮影や試料採取等を行い、海鳥の生息状況、節足動物や植物の存在の有無、地質等について情報収集する。西之島周辺の海底については、昨年度までの調査で、西之島の噴火の影響を大きく受けた原初の状態であることが示唆されており、引き続き、西之島周辺海域の生態系の変化を明らかにするため、採水した海水による海洋環境の把握や環境DNAの解析等を行うという。