ロボットに応用可能?!ボルボックスの巧妙な移動制御~前方細胞が舵取り役
発表日:2024.10.23
東京農工大学大学院工学研究院先端物理工学部門の村山准教授と原田氏らの研究グループは、緑藻の一種であるボルボックスの体細胞に、周囲の明るさに順応可能な「照度差検知機構」が備わっていることを発見した。―――ボルボックスは淡水に生息する緑藻で、直径数百マイクロメートルの球形をしている。球面上に数千個の体細胞が配置され、各体細胞には光センサーの役割を担う眼点と、駆動力を生み出す2本の鞭毛を有している。ボルボックスは光合成を行うために明るい方へ移動する正の走光性を示すが、細胞間の複雑な情報伝達機構は備わっていないと考えられてきた。今回発見された機構は、前方の細胞の方が後方の細胞よりも高性能であり、前方の細胞が舵取り役、後方の細胞が漕ぎ手役を担うことで、個体が明るい方へ移動する動きを巧妙に制御していると考えられる。また、個体の走光性は、暗から明への照度変化に対する鞭毛運動の一時停止というシンプルな応答により実現されていることが示唆された。この発見は、マイクロロボットや自動制御システムの技術開発への応用が期待される。本研究成果は、PNAS Nexusの2024年10月16日付最終版に掲載された。