産業技術総合研究所（産総研）の南主任研究員率いるケイ素化学チームは、エポキシ樹脂を化学分解する新たな手法を開発した。エポキシ樹脂の多方面で活用されている素材であるが、リサイクルが難しいことが大きな課題となっていた。今回の研究では、エポキシ樹脂を150℃という比較的マイルドな条件下で分解し、ビスフェノール類分子を高収率で回収することに成功した。この新たなリサイクル手法は、硬化剤の種類や繊維との複合化を問わず適用可能であり、炭素繊維やガラス繊維を含む複合材料からも有用成分を回収できる。同チームは今後、ビスフェノール類以外の原料化合物の回収技術の開発や、エポキシ樹脂を含む廃棄物の再生利用を目指すという。