住友電工とDPS社、希少金属回収技術で協業
発表日:2024.11.19
住友電工と貴金属リサイクル用品の製造・販売などを手がけるディーピーエス(DPS)は、フレキシブルプリント回路(FPC)製造工程で使用される希少金属パラジウム(Pd)の回収事業を開始する。FPCの製造工程では、銅めっきや金めっきなどの処理が行われており、触媒として多量のPdが使用されている。しかし、現在の洗浄工程では微量のPdしか回収できず、大部分は排水として処理されている。DPS社は、独自構造のシリカゲル「DualPore™」を用いて、超低濃度で排水に含まれたPdを吸着・回収する技術を提案している。今回、住友電工のベトナムFPC製造拠点で同製品の有用性が確認され、本格的な導入が決まった。回収されたPdは日本国内の金属精錬業者に売却され、原価低減とともに、Pdの国際資源循環や環境負荷低減に貢献する。DPS社の白社長は、住友電工に正式採用されたことについて、「DualPore™技術がPd回収のみならず幅広い生産技術としての応用可能性が評価された」と述べている。両社は、今回の取り組みが希少金属の国際循環を図るモデルケースとなり、将来的には鉱物資源に乏しい日本のレアメタル需要に貢献する技術になると期待している。
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