NITEの化学物質情報システム、化粧品業界との連携で一層充実
発表日:2025.01.10
製品評価技術基盤機構(NITE)と日本化粧品工業会は、化粧品基準で規定されている化学物質とCAS RNⓇを関連付け、「化学物質に関する包括的な情報提供システム(NITE-CHRIP)」で公開した。──CAS RNⓇとは、米国化学会の情報部門が管理する化学物質データベースに掲載されている化学物質に固有の識別番号で、化学物質の流通で広く使われている。一方、化学物質を取り扱う事業者は、開発・運搬・販売などの各ステージで法規制に適切に対応する必要があるが、法規制は多岐にわたり、手続きも複雑であるため、法令遵守対応コストの上昇や違反リスクが生じる。──今回の取り組みは、NITEが運用しているNITE-CHRIPをベースに、化粧品原料事業者や化粧品事業者がより安全な化粧品の製造を行うために必要な関連情報を容易に収集できる環境を整備するものである。NITE-CHRIPは、約100種の情報源と約30万物質の情報を収載しており、化粧品原料事業者等のコンプライアンス対応を支援している。検索した化学物質がどの法律の管理下で規制されているかを把握し、手続き・申請サイトにもリンクして統合的にアクセスできるようになっており、海外の事業者との法規制等に関するコミュニケーションツールとしても利用されている。──新たなシステムを用いることで、事業者の法規制対応に費やす手間や作業時間が短縮され、法令遵守徹底及びその対応コストの削減が期待される。NITEと日本化粧品工業会は、今後も連携を強化し、化粧品基準とCAS RNⓇの関連情報を充実させていくという。