パナソニック、データセンター向け新・冷却水循環ポンプを開発
発表日:2025.06.12
パナソニック(くらしアプライアンス社)は、創業70周年を迎えたポンプ事業において、データセンター向け冷却水循環ポンプを新たに開発した。これまで家庭用井戸ポンプから始まり、給湯・暖房・浴室機器向けの組み込み式ポンプを展開してきた同社は、AI技術の進展に伴い急増するデータセンターの冷却ニーズに対応すべく、液冷式冷却市場への参入を決定した。
データセンターでは、生成AIなどの高度な演算処理により、CPUやGPUの発熱量が増加しており、従来の空冷式では冷却効率が限界に達している。液冷式は冷却効率に優れ、環境負荷の低減にも寄与することから、次世代インフラの冷却技術として注目されている。
今回開発された冷却水循環ポンプは、冷却システムの中核であるCDU(Coolant Distribution Unit)への組み込みを前提に設計されており、以下の3点が特長である。第一に、高度な磁場・流体・流動解析技術を活用し、従来比75%の性能向上(40→70 L/min)を達成。第二に、限られたスペースへの設置を可能にするコンパクト設計。第三に、水中すべり軸受けの採用により長寿命化を実現し、メンテナンス負荷を軽減している。
パナソニックは、データセンター市場への参入を契機に、インフラの熱対策分野への冷却ソリューション提供を強化し、2035年までに累計出荷1億台を目指す方針を示している。
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