信大・島津冠ラボ:分析計測技術の共同研究で社会貢献めざす
発表日:2025.08.04
信州大学は7月25日、松本キャンパス内に「アクア・リジェネレーション共創研究センター(ARCH)」を新設した。開所式には、文部科学省、日本学術振興会、山梨大学、長野県、松本市、飯田市、ならびに参画企業の関係者ら約90名が出席した。
ARCHは、水浄化技術やグリーン水素の実証研究を通じて、地域課題の解決と社会実装を目指す研究拠点である。信州大学の中村宗一郎学長は、「命の起源である水に関する地球規模の課題解決を通じて、地域創生とサステナビリティの実現を目指す」と述べた。また、文部科学省の平野博紀室長は、「地域課題と世界的水問題の双方に資する拠点としての発展を期待する」と祝辞を寄せた。
ARCHには、セイコーエプソン、トヨタ自動車、島津製作所などが参画しており、企業による研究紹介やセンター内覧会も式典後に実施された。島津製作所との連携については、同大学との包括的連携協定(2024年8月締結)に基づき、「信州大学&島津製作所 水質研究センター(仮称)」が整備されている。この冠ラボでは、液体クロマトグラフ質量分析計「LCMS-8060RX」やガスクロマトグラフ質量分析計「GCMS-QP2020NX」などの先端機器を活用し、「信大クリスタル」などの材料を用いた水浄化・循環利用技術や、水由来水素エネルギーの生成・利用に関する共同研究を推進する。研究期間は2024年から5年間を予定している。
信州大学は、文部科学省の「地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)」に2023年度採択されており、ARCHはその中核的役割を担う。島津製作所は、冠ラボにおける取り組みにおいて脱炭素社会や次世代エネルギーの開発、次世代人材の育成に貢献する姿勢を明確にしている。
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