産業廃棄物の不法投棄等の状況(令和6年度)
発表日:2025.12.19
環境省は令和6年度の産業廃棄物不法投棄等の調査結果を公表した。不法投棄の新規判明は106件、投棄量は14,399トンで、前年(100件、41,637トン)と比べ量が大幅に減少した。規模別では50トン未満が約7割を占め、小規模化の傾向が続く。大規模事案(1,000〜5,000トン未満)が量の過半を占めるものの、5,000トン以上はゼロである。
廃棄物種類は建設系が件数の74.5%、量の70.3%を占め、内訳は建設混合廃棄物とがれき類が中心である。実行者の内訳は排出事業者が33%、無許可業者9%、許可業者4%、複数13%、不明35%と、依然として主体の特定が困難な事案が多い。
地域別では茨城県が不法投棄23件・2,997トンと高水準で、千葉県・奈良県などにも散発的な大きめ事案が見られる。不適正処理の大規模例として、埼玉県川口市で建設混合廃棄物約14,800トンの事案が報告され、現時点では支障なしとされるが、実行者の所在や対応の難しさが課題となっている。
一方、全国の残存事案は令和6年度末で2,920件、残存量は約999万トン。判明時期は平成後半に集中し、支障状況では「支障なし」が大半を占めるが、「支障のおそれ」や「調査中」も一定数ある。政策的には、建設系・小規模事案の早期是正、排出事業者責任の厳格化、無許可対策の強化、広域連携による情報共有・迅速対応が継続課題だといえる。
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