農水省、J-クレジット方法論「飼料添加物給餌→牛のメタン削減」を追加
発表日:2026.02.20
農林水産省は、J-クレジット制度に、牛への飼料添加物を使用した飼料の給餌によって牛のげっぷ由来メタン排出を削減する方法論が新たに追加されたと発表した。
この方法論は、GHG削減効果が認められた飼料添加物を活用し、牛の第一胃でメタン生成を行う微生物の働きを抑える仕組みである。農業分野ではアミノ酸バランス改善飼料の給餌や家畜排せつ物管理の改善など既存の6種類の方法論が制度化されているが、今回の追加により7つに拡大した。政府はみどりの食料システム戦略の下で農畜産分野の排出削減を強化しており、本件はその一環である。
飼料添加物としては、カシューナッツ殻液および3-ニトロオキシプロパノールの2種類が飼料安全法に基づき温室効果ガス削減剤として指定されている。これらは反芻過程でメタンを発生させる微生物群の代謝を阻害し、排出量の低減を可能とする。評価指標は牛のげっぷ由来メタンの削減量であり、算定方法やモニタリング項目は方法論上で規定されている。J-クレジット制度は、削減量を国が認証し取引可能とする枠組みであるため、農林漁業者が削減によって収益を得られる仕組みが整う。
方法論の適用にあたっては、飼料添加物を継続的に給与し、牛群ごとの削減量を算定する。削減計画を登録し、活動実施後に審査を受け、適合が確認されれば削減量分のクレジット認証を受けられる。今回の承認を受けて、畜産現場では従来の飼養管理に加えて飼料添加物の利用が選択肢として拡大し、排出削減の取り組みが可視化される。背景には農林水産分野における排出削減・吸収量の把握と、民間によるクレジット購入需要の増加がある。
同省は、今回の方法論追加が畜産分野における排出管理の推進に有効であると述べている。今後は、登録された削減計画に基づき削減活動を実施し、所定の審査を経てクレジット認証を進めるという。