（財）日本海事協会と日本アイ・ビー・エム（株）は、海事関係者（船主、造船所、舶用機器・部品・材料メーカなど）のシップリサイクル条約へのスムーズな対応を支援するため、クラウド環境を利用したウェブシステムを共同開発すると発表した。2009年5月に採択されたシップリサイクル条約では、インベントリと呼ばれる船内の有害物質の一覧表で有害物質の情報を伝達することで、安全で環境に配慮した船舶の解体作業を目指している。今回の共同研究では、このインベントリの作成段階から解体時の利用に至るまでのすべてのプロセスにおいて、関係者がウェブ上で情報共有するシステムを構築し、利便性・効率性向上のための当事者の関与のあり方や、システムが可能とするシップリサイクルのビジネスモデル、及びセキュリティ面などの運用上の課題について検討を行う。具体的には、これまで日本海事協会が世界に先駆けてCDで配布してきたインベントリ作成ソフトの機能の一部をウェブシステムとして構築し、同システムをモデルとして検討を進めるという。