東北大学と戸田工業（株）などの研究グループは、（独）新エネルギー・産業技術総合開発機構（NEDO）の「希少金属代替材料開発プロジェクト」のもと、レアアース（希土類）を含まない磁石として期待される「強磁性窒化鉄」を、粉末として単相分離・生成することに世界で初めて成功した。ハイブリッド車のモーターやエアコン用モーターなど高性能な磁石材料には、レアアースが多く含まれているが、その産出が特定の国に偏在することなどにより資源リスクは年々高まっており、レアアースを全く含まない（レアアースレスな）新たな代替材料が望まれている。強磁性窒化鉄は、現在最強の磁石とされるネオジム-鉄-ボロン磁石の性能を凌駕する可能性のある物質であり、今回の成果により、レアアースを使用しない磁石の実現に大きく近づくことになる。なお、「希少金属代替材料開発プロジェクト」は、経済産業省のレアメタル確保戦略の一環として進められている。