(独)国立環境研究所、地球温暖化に伴うアマゾン川流域の乾燥化を示唆
発表日:2011.03.30
(独)国立環境研究所は、地球温暖化に伴うアマゾン川流域の乾燥化を示唆する研究成果を発表した。地球規模の気候変動を予測する大気海洋結合モデル(GCM)には複数のモデルがあるが、モデル間で南米大陸の降水量予測の結果に大きなばらつきがあった。そこで今回、同研究所の塩竈NIES特別研究員らは、高度な統計解析手法を用いて、複数のGCMによる予測結果の信頼性を客観的に評価する方法を開発し、南米大陸における水資源影響評価の不確実性の低減を図った。その結果、単純にモデル間の平均をとると、アマゾン川流域は湿潤化するという結果が得られるのに対し、現在の観測データとの比較により不確実性を制約した場合、アマゾン川流域は乾燥化する可能性が高いことがわかった。今回の研究により、複数のGCM間で将来気候変化予測に大きなばらつきがある場合、単純に多数のGCMが予測する結果の方が信頼できるとは限らないことが示された。なお、同研究は環境省の環境研究総合推進費および文部科学省の21世紀気候変動予測革新プログラムの研究費により実施された。
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