気象庁は、2011年4月までの日本の大気中二酸化炭素濃度を公表した。同庁では、国内3地点（岩手県大船渡市綾里、東京都小笠原村南鳥島、沖縄県八重山郡与那国島）で、大気中の二酸化炭素濃度の観測を実施している。これらの観測の結果、2010年の年平均値（速報値）は3地点でそれぞれ393.3ppm、390.5ppm、392.7ppmとこれまでで過去最高となった。この10年間（2001～2010年）では3地点の平均で2.0ppm/年の割合で増加を続けており、その前の10年間（1991～2000年）の割合（1.7ppm/年：綾里）に比べて大きくなっている。国内で最初に長期連続観測を開始した綾里においては、観測開始時（1987年）より、42.1ppm濃度が増加しているという。また、年間で最も二酸化炭素濃度の高くなる春季において、今年4月の観測値（速報値）が得られた2地点では、それぞれ396.4ppm（南鳥島）、398.4ppm（与那国島）と、ともに観測開始以来の月平均値の最高値を記録したという。なお、綾里は平成23年（2011年）東北地方太平洋沖地震の影響により、4月の観測値が得られなかった。