(独)国立環境研究所、東南アジアの熱帯林の炭素収支と森林伐採の影響を評価
発表日:2011.09.28
(独)国立環境研究所地球環境研究センターは、陸域生態系の物質循環モデルVISITを用いて、東南アジアにおける熱帯林の炭素収支と森林伐採の影響、さらにはプランテーションに転換後の炭素貯留量を評価した結果を発表した。これは、同研究所と、京都大学、マレーシア森林研究所及びタイ国立公園局との共同研究によるもの。同研究により、森林伐採後の炭素放出量は、生態系に放置される樹木の残渣量によって大きく変化することが示された。さらに、このモデルによる植栽後30年のアブラヤシプランテーションの炭素貯留量は森林の約35%と予測され、森林に比べて炭素固定能力が明らかに低下することが分かった。今回の成果は、REDD(森林減少・劣化からの温室効果ガス排出削減)などの国際的な温暖化対策の評価に貢献することが期待されるという。なお、同研究は、環境省の環境研究総合推進費における研究課題「グローバルな森林炭素簡素監視システムの開発に関する研究」等によるもの。平成23年度採択された研究課題「気候変動対策と生物多様性保全の連携を目指した生態系サービス評価手法の開発」でも、この研究成果を活用した研究が行われている。
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