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 太古の温室効果ガスデータ、気候と海洋の関係解明にヒント

発表日:2008.10.03


  氷床コアと海洋堆積物のデータ分析により、CO2濃度、海流及び温暖化の密接な関係を示す研究結果が、2008年10月3日発行の「サイエンス」誌で発表された。オレゴン州立大学のアン博士とブルック博士は、2万年~9万年前の南極の氷床コア390サンプルについて、含まれるガスのCO2濃度を計測。その濃度と、CO2が閉じ込められた時の気温を示すグリーンランド・南極の気候データ、同時代の北大西洋海流の速度及び南洋の成層化の状況を示すチリ及びイベリア半島の海洋堆積物を比較した。その結果、CO2濃度の上昇が、その後の地球の気温上昇や北大西洋海流の循環減少、南洋での海水の混合の減少と関係していることが分かった。これは、温暖化による海流の変化が、大気中へのCO2放出をさらに促すというシナリオの可能性を示しているという。博士らは、今後、新たに採掘された氷床コア中の太古のガスを研究することで、極地でのCO2濃度と気温の変化のタイミングが詳しく解明できると期待している。

情報源 アメリカ国立科学財団(NSF) プレスリリース
国・地域 アメリカ
機関 アメリカ国立科学財団(NSF)
分野 地球環境
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