国連環境計画(UNEP)は世界的に著名な経済学者と共に、持続可能な経済の実現を目指す「グリーン経済イニシアティブ」を打ち出し、世界経済の方向をクリーン技術や森林等自然のインフラへの投資に向けることが真の成長につながると呼びかけた。この取り組みでは、(1)生態系サービスの価値を評価し、国民経済計算や国際勘定の中心に位置づけていくこと、(2)環境関連雇用の創出とその政策設計、(3)グリーン経済への移行を促進する手法や市場のシグナルという3点に重点を置き、18~24ヶ月以内に先進国・途上国双方に包括的な評価と必要な変革を実施するための手段を示す。今後、経済的な利益、環境面での持続可能性、雇用の創出という観点から、最も大きな変化が生まれそうな分野としては、クリーンエネルギーやクリーン技術(リサイクル等)、地域エネルギー、持続可能な農業、生態系インフラ、森林減少・劣化からの温室効果ガス排出削減(REDD)、持続可能な都市が挙げられている。