アメリカ海洋大気庁(NOAA)漁業局は、過去50年間にわたって姿が見られなかったカリブモンクアザラシについて「絶滅した」と判断。人為的な要因によって絶滅した最初のアザラシとなってしまった。カリブモンクアザラシは、カリブ海及びメキシコ湾に生息する唯一の亜熱帯性のアザラシで、脂肪や皮、食用を目的に乱獲された。最後に目撃されたのは1952年。1967年には、絶滅危惧種保護法に基づき、絶滅危惧種に指定され、その後数回にわたって調査が行われたが、生息を確認できなかった。NOAA漁業局では、絶滅危惧種法に基づく5年間のレビューの結果を踏まえ、既に絶滅したとして、絶滅危惧種リストから削除する規定案を官報に掲載し、パブリックコメントを募集する予定である。なお、カリブモンクアザラシの近縁種である、ハワイモンクアザラシ及び地中海モンクアザラシも、個体数がそれぞれ1200頭、500頭にまで減っており、絶滅の危機に瀕している。