村田製作所は、電子部品業界で初めて、製品の主要部材である銀(Ag)の水平リサイクルシステムを構築し、2025年1月より本格運用を開始した。本システムは、EMI(Electro Magnetic Interference)製品の製造過程で発生する銀廃材を協力会社と連携して原料まで再生し、再び同用途の材料として活用するものである。
水平リサイクルは、使用済み資源を同等の品質で再利用する循環型資源利用の一形態であり、従来のダウングレード再利用とは異なり、資源の価値を維持したまま循環させる点に特徴がある。銀は電子部品において導電性や耐久性に優れる重要素材であるが、埋蔵量に限りがあり、資源の持続可能な利用が求められている。同社は、2050年度までに「持続可能な資源利用率100%」「循環資源化率100%」の達成を掲げており、本システムはその実現に向けた具体的な取り組みの一つとなる。