環境トピックス

エコドライブ講習会に参加した(3/3)
エコドライブで燃費はどれだけ改善する? 車用のルームランナーで測定

2016年12月28日

講義の後は、低公害車実験施設に移動してエコドライブの実習です。

扉の先に乗用車が置かれていますが、そのタイヤの下にあるのは、シャシーダイナモメータと呼ばれる装置です。速度や傾斜を自由に設定できる車用のルームランナーと思えば良いそうで、自動車メーカーや認証試験機関でも燃費や排出ガスの測定に使われているとのことです。この装置を使って、普通の運転とエコドライブとのアクセルの踏み方や燃費の違いを体験します。

普通の運転とエコドライブの走行パターンを体験

実習では、NIES前の一般の道路2.4kmを走行した速度パターンを再現します。普通の運転では、強めの加速をしたり、左折のために減速する前走車に追いついたり、途中の赤信号で停車したりと、速度の変化が大きくなっています。一方、エコドライブでは、信号の先読みや前走車の状況を見ながら速度を調整しているため、速度の変化が小さく、途中で停車することもありません。運転方法が違うにもかかわらず、2.4km地点の信号に到着するまでにかかる時間がほぼ同じなのは意外なところです。

走行パターンをなぞります

地域環境研究センターの今野秀徳さんのガイドで、車に乗り込み実習スタートです。

車外のモニターには、運転している車の速度と、目標の走行パターンが表示されています。目標の走行パターンの速度と合うようにアクセルとブレーキを操作しますが、慣れるまでは、日常の運転とは違った走行に苦戦してしまいます。

同じ時間で同じ距離を進んだけど、燃費は?

実習の後は、今野さんと一緒に燃費の結果や走行パターンをふりかえります。

実習で使用した車での筆者の結果は、普通の運転で約19km/l、エコドライブで約25km/lでした。加速の強さや速度変化の大きさの違いが燃費に影響していることがわかります。もちろん実際の道路では、周りの状況に応じて運転方法が変わりますので、同じようにはいかないかもしれません。それでも今野さんは、予測運転で速度変化の小さい走行をするだけでも、日常の運転から約5%の燃費改善ができるだろうと言います。

エコドライブを始めよう

講習会に参加して、エコドライブには特別なテクニックがあるわけでないことがわかりました。制限速度を守り、周りの状況を確認しながら運転することは、交通ルールに従った運転でもあり、周囲への気遣いにもつながります。最近は、エコ運転モードや燃費を表示する機能が搭載されている車も多くなり、気軽にエコドライブを実践できるようになりました。早速、エコドライバーへの一歩を踏み出しましょう。

報告:伊東敏文(環境情報部)、協力:近藤美則、今野秀徳、横島佐知枝(地域環境研究センター)、環境マネジメントシステム事務局

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