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 アメリカの研究者ら、生物多様性の減少が感染症を増加させ健康被害を助長と報告

発表日:2010.12.01


  生物多様性と感染症の関連を研究するアメリカの研究者らは、生態系中の種の喪失が、結果的に病原体の増加につながるとする論文を『ネイチャー』誌に発表した。西ナイルウイルスやハンタウイルスなど、種の減少が感染症の発生を引き起こす例は知られていたが、それが普遍的なパターンであることが判明したという。森林破壊などの環境破壊により、病原体の拡大を防ぐ緩衝機能を果たしていた種が絶滅する一方、病原体を運ぶ宿主や媒介生物が生き残る結果、感染症が増加し、健康被害を助長するとされる。病原体を増殖させる生物が生き残りやすい理由は不明だが、これを防止するには自然生息地を保全することが最良の方法だという。1950年代以降、世界の生物多様性は空前のペースで減少している。また、人口増のため、農地の開墾や野生生物の狩猟を通じて新種の病原体との接触も増えている。研究者らは、多数の家畜等を飼育する場所での慎重な監視を呼びかけている。

情報源 アメリカ国立科学財団(NSF) プレスリリース
国・地域 アメリカ
機関 アメリカ国立科学財団(NSF)
分野 自然環境
キーワード 生物多様性 | アメリカ国立科学財団 | NSF | 健康 | 感染症 | 森林破壊 | 生息地 | 家畜 | 病原体 | ウイルス
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