キクイムシが寄生した樹木からは通常の20倍以上の揮発性有機化合物(VOC)が放出され、森林地帯での靄(もや)や大気汚染の原因になっていることが、アメリカの科学者らの研究で明らかになった。この結果は、2012年5月23日に米国化学会が発行する環境分野の科学技術雑誌「Environmental Science & Technology」に発表される。アメリカ西部とカナダ西部では1990年代から60億本以上の樹木にキクイムシが寄生し、マツやトウヒなどを枯死させている。しかし研究者らによると、影響は樹木の枯死だけにとどまらず、キクイムシが穿孔した樹木では、樹木の防御機構が働いて、VOCが大量に放出されるという。今回の研究で一番多く放出されていたのは、VOCの一種である、βフェランドレンであった。キクイムシは大気中のVOCの濃度を高めることにより、靄の発生原因となり、ひいてはヒトの健康を害し、視界を悪化させ、気候にも影響する可能性があると科学者らは述べている。
情報源 | 国立科学財団(NSF)プレスリリース |
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国・地域 | アメリカ |
機関 | 国立科学財団(NSF) |
分野 | 健康・化学物質 自然環境 大気環境 |
キーワード | 大気汚染 | NSF | VOC | 揮発性有機化合物 | 健康影響 | 樹木 | 国立科学財団 | キクイムシ | βフェランドレン | 寄生 |
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