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 鹿児島大、黒潮の生物生産性に関する新知見を発表

発表日:2020.05.07


  鹿児島大学、(国研)水産研究・教育機構 東北区水産研究所および愛媛大学など5大学の研究グループは、黒潮の亜表層に栄養塩(窒素、リンなど)を供給している強大な乱流が九州南方海域に存在し、生産性の向上に寄与していることを突き止めた。濃い藍色を呈することから名付けられた黒潮は、大型回遊魚などの良好な漁場となっているが、表層は貧栄養で、海水自体の生産性は低いと考えられてきた。今回、同研究グループは、海洋観測と洋上実験によって、黒潮の強い流れで発生した乱流が表層へ栄養塩を供給することで、植物プランクトンが成長し、微小な動物プランクトンの餌源となる仕組が「黒潮における見えない生物生産力」となっていることを発見した。黒潮が「海の砂漠」と見られていたのは、生産と消費が釣り合っているためにプランクトンが残存しないだけであり、より大型の動物プランクトンや魚類にエネルギーが転送された、豊穣の海であるというパラダイムシフトにつながる知見であるという。

情報源 鹿児島大学 トピックス
機関 鹿児島大学
分野 自然環境
キーワード 栄養塩 | 海洋観測 | 魚類 | 生産性 | 植物プランクトン | 乱流 | 黒潮 | 動物プランクトン | 大型回遊魚 | 洋上実験
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