国内ニュース


 琉球大など、「生物多様性」投資のリターンが分かるツールを開発

発表日:2021.12.23


  琉球大学は、研究成果の社会実装を担う(株)シンクネイチャーと共に、自然資本(Natural Capital)である生物多様性への投資などを促す企業向け支援ツールを開発した。同大学は、このツールを「ビジネスセクター向けネイチャー・ポジテイブ活動支援ツール」と呼んでいる。開発の背景には、自然の豊かさを取り戻す(ネイチャー・ポジテイブ)実効性のある施策が民間企業に求められていることや、クレディ・スイスが指摘したESG(環境・社会・企業統治)投資の阻害要因(①適切な評価指標が無い、②自然資本の価値が容易ではない、③企業内部に専門家がいない)の克服がある。両者(社)は先行研究において整備した生物多様性ビッグデータや地図化の技術と、業種や地域によって異なる評価視点を調整するAI技術を融合し、生物多様性情報を統一的かつ定量的に評価するソリューションを設計した。企業活動が自然に与える影響を、生物多様性の保全再生効果や生物絶滅リスクの増加効果あるいは緩和効果としてKPI化(課題を数値化)する手法が鍵技術となっている。積水ハウス(株)が当該手法を援用し、地域に生息する鳥類や昆虫に配慮した植栽計画を立案している。また、その他の企業が実施した森林管理、藻場再生、再エネ利用の取組についても、共通の「ものさし」で生物絶滅リスクの抑止効果、生物多様性再生量(ゲイン)・喪失量(ロス)を定量評価できることが実証されている。企業のESG評価の核心的パーツとなり、日本発の国際的評価枠組みやルールメイキングを先導していくと、今後の展開・抱負を述べている。

情報源 琉球大学 お知らせ(研究成果)
機関 琉球大学 (株)シンクネイチャー
分野 自然環境
キーワード 生物多様性 | 自然資本 | ソリューション | ESG | ビッグデータ | AI | ロス | ネイチャー・ポジテイブ | 生物絶滅リスク | ゲイン
関連ニュース

関連する環境技術