アメリカの科学者チーム、西海岸大陸棚の海洋酸性化で貝の殻が溶解していると発表
発表日:2014.04.30
アメリカ海洋大気庁(NOAA)等の科学者チームは、アメリカ西海岸の大陸棚で海洋酸性化によって翼足類(自由遊泳性の海生巻貝)の殻が溶解していると発表した。研究論文によると、西海岸では風の影響で4月から9月にかけて二酸化炭素を大量に含み酸性化した腐食性の高い海水が深海から海面や大陸棚に湧き上がる。この海水は、サンゴや貝類のほか、カラフトマスやサバなどの餌となる翼足類など食物連鎖の初期段階にいる小型生物の骨格や殻の形成に影響を及ぼす。研究者らによると、同水域で捕獲した翼足類の中で殻が溶解しているものは53%に上り、この割合は産業革命以前に比べ2倍、海洋酸性化によって海水の腐食性が70%上昇するとされる2050年までには3倍になるという。研究チームは、影響の深刻さは予想以上であったとし、今後は、海洋酸性化が、翼足類だけでなく甲殻類や稚魚など沿岸地域の経済を支える重要な海洋生物、あるいは海洋資源の持続可能性も含め、海洋生態系全体どのような影響を及ぼすかを研究していく必要があるとしている。
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