アメリカ海洋大気庁（NOAA）の研究チームは、過去15年の地球温暖化のペースは、20世紀後半と同様か、さらに速まっており、温暖化の「ハイエイタス」（停滞）はみられないとする研究結果をサイエンス誌に発表した。2013～14年に発表されたIPCC第5次評価報告書では、地球表面温度の上昇傾向は、1998～2012年の期間では1951～2012年の長期の傾向より明らかに緩やかだとされていた。その後、NOAAの科学者らが計算方法の改良を進めた。まず、船で測った海洋面温度とブイを使った測定温度との差異を補正する方法を開発し、測定方法によるデータの誤差を解消した。また、国際表面温度イニシアティブなど多数のデータセットを統合したことで、分析対象の測候所数を2倍以上に増やし、カバーする空間を大幅に広げた。さらに、最新の2013、2014両年の温度データを追加した。このようにして分析し直したところ、2000～2014年の温暖化のペースは、実際には20世紀後半と同じかむしろ速いくらいだったことが判明したという。