国連環境計画、アフリカの木材需要増大に備えて薪炭産業を含めた森林経済政策を提言
発表日:2015.09.09
国連環境計画(UNEP)等は、アフリカでは人口増と経済の拡大により森林が生み出す産品やサービスへの需要が急速に増大し、2050年までに木材需要が現在の2~3倍に増加するとの報告書を公表した。森林は、木材などの産品のほか炭素貯蔵、土壌浸食防止、生物多様性の維持などの重要なサービスを提供しているが、木材需要増に他の要因も加わって森林減少がさらに進むおそれがあるという。アフリカでは木材消費の90%を占めるとされる薪炭産業が公式統計に十分に反映されていない。そのため報告書は、こうした非公式部門を国レベルの計画や会計に反映させ、森林資源についての権利関係の明確化、生態系サービスの価値の正当な評価、地域での管理の強化により森林を経済政策に組み入れるよう提言する。これにより森林部門の生産性が大きく上昇し、需要増大に応えるとともに、森林資源の持続可能な管理で生態系サービスも維持できるようになるという。報告書は、法律による管理計画で伐採強度を低減したカメルーンの例や、木炭生産の免許制度を導入したケニヤの例などの成功事例も提示した。