アメリカ気象学会、人為起源の気候変動が2014年に極端気象を加速したと報告
発表日:2015.11.05
アメリカ気象学会は、2014年に発生した極端気象現象の要因を分析した報告書を公表した。それによると、中央太平洋の熱帯低気圧や欧州の豪雨、東アフリカの干ばつ、オーストラリア、アジア、南アメリカを襲った熱波などの極端気象に、温室効果ガス排出や土地利用などの人間活動が影響したことが示されたという。この報告書は2011年分から毎年公表されており、今年度の報告書では森林火災や南極の海氷域面積なども分析対象に含め、世界中の32の研究チームが2014年に発生した28の極端気象の要因をそれぞれ分析した。分析には、極端気象が人間活動の影響か自然の変動性かを評価するイベント・アトリビューションという科学的手法が用いられた。2014年の研究では、熱波の強度や起こりやすさには人為起源の気候変動が大きく影響したが、豪雨や干ばつなどへの影響は示されたものとそうでないものがあったという。NOAAはこの手法をさらに進歩させ、気候変動に効果的に対処できるようにすることが重要だとしている。