国際エネルギー機関、中国のクリーン石炭技術に関する報告書を公表
発表日:2009.04.20
国際エネルギー機関(IEA)は、中国のクリーン石炭技術に関する報告書を公表した。中国の石炭が世界に供給しているエネルギー量は、今や中東の石油を上回るという現状を踏まえ、IEAの田中事務局長は、環境対策が全ての人の利益になると指摘。中国は、石炭火力発電所の半分(発電容量ベース)で排煙脱硫を実施し、北京郊外の石炭火力発電所で世界最初のCO2回収実証試験の一つを進める等、既に様々な技術を有しているが、より効果的かつ広範に技術を活用していくために、優れた訓練を受けた多くの人材が必要だという。また、中国の環境法はよく設計されているものの、実施面で改善の必要性があるとされ、下部組織への権限委譲、説明責任の拡大等を勧告した。さらに、新技術の開発における中国の役割は極めて重要であり、低炭素エネルギーの実現に向け、商業活動、政府間協力、研究開発での連携等が求められるとした。先進国がCO2隔離貯留技術等の技術の市場を迅速に構築することができれば、報告書の勧告は、中国にチャンスをもたらすものとなると期待される。
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