オランダ環境評価庁、気候行動が遅れるとCO2除去技術の必要性が高まると報告
発表日:2019.09.25
オランダ環境評価庁は、CO2排出削減シナリオを比較した報告書を発表した。削減、エネルギー需要、エネルギーミックスの推移を指標に、シェル、BP、国際エネルギー機関(IEA)、国際再生可能エネルギー機関(IRENA)、世界エネルギー会議(WEC)、欧州委員会、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)のシナリオを比較した。すべてのシナリオはエネルギー関連排出の大幅削減を示すが、削減の実現時期と必要とする資源や技術は異なる。IRENA、IEA、BPのシナリオは、急速に大幅な削減(2030年/2017年は約75%)を実現し、除去技術にさほど依存しない。一方、シェルとWECのシナリオでは削減の進捗は緩慢(同上比は各々+3%、-4%)で、21世紀後半において排出相殺のため除去技術に大きく依存する。後者のシナリオでは、回収・貯留付きバイオマス発電(BECCS)や植林に広大な土地資源が使用され、食料安全保障や生物多様性保全等の持続可能な開発が阻害される。回収貯留(CCS)施設も2020年の50ヶ所以下から2070年には1万ヶ所必要となるという。
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