国際エネルギー機関、『2010年世界エネルギー展望』報告書で世界のエネルギーシステム転換に向けさらなる行動を要請
発表日:2010.11.09
国際エネルギー機関(IEA)の『2010年世界エネルギー展望』の発表にあたり、田中伸夫IEA事務局長は「G20諸国において化石燃料関連の補助金の段階的廃止に合意したことは前進であったが、世界の持続可能なエネルギーシステムへの転換には、各国のさらなる行動が必要」と述べた。今年度の報告書では、各国が発表した政策や計画が実施された場合の「新政策シナリオ」の試算を行っている。それによると、2008~2035年の間に世界の一次エネルギー需要は36%増大し、増加分のうち93%は中国をはじめとする非OECD諸国が占める。最大のエネルギー源は引き続き化石燃料で、温室効果ガス(GHG)の濃度は長期的に3.5℃超の気温上昇を招くレベルで安定するという。再生可能エネルギー等のGHG削減技術はすでに存在するが、気温上昇を2℃以内に抑えるというコペンハーゲン合意の目標を達成するには、空前のスピードで技術転換を図る必要がある。それには強力かつ持続的な政策的支援が不可欠で、我々は今すぐに行動し、今後さらに強力な措置を取らなければならないとしている。