国連環境計画、南米における泥炭地の山火事について解説
発表日:2022.08.12
国連環境計画(UNEP)は、近年発生している南米地域での泥炭地を含む山火事について解説した。2022年初めにチリとアルゼンチンで、炭素の重要な貯蔵庫である広大な泥炭地を含む大規模な山火事が発生し、地球温暖化への影響が懸念されている。チリの泥炭地の山火事は1か月以上にわたって1,200ヘクタールの原生林を焼き尽くし、動植物の死滅、大気中への炭素放出をもたらした。山火事の原因の多くはビジネス目的など人為的なもので、アルゼンチンでは、2021年8月以降の火災の95%が人為的なものであるという報告もある。しかし、気候変動によって泥炭地の火災に対する脆弱性が高まっていることは確かで、泥炭地が燃えると他の生態系よりも多くの二酸化炭素を放出し、消火が非常に困難になる。ペルー、チリ、アルゼンチンで法律制定に向けた動きはあるものの、南米では泥炭地に対する特別な法的保護は存在しておらず、強力かつ専用の保護法を制定することが、各国にとって急務となっている。
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