日本電気（株）、（株）田中化学研究所及び積水化学工業（株）は、（独）産業技術総合研究所と共同で、新規鉄マンガン系正極を使った次世代リチウムイオン電池を開発したと発表した。これは、層状岩塩構造を有するリチウム鉄ニッケルマンガン酸化物を使用した鉄マンガン系正極、導電剤に炭素系材料のカーボンナノホーン等を使用した酸化シリコン系負極、及び高電圧耐性の高いフッ素化エーテルを含有する電解液を新たに開発したもの。これらにより、現在実用化されているマンガンスピネル系正極を使ったリチウムイオン電池の約1.7倍となる、エネルギー密度271Wh/kgを実現した。同電池の技術は、リチウムイオン電池の低コスト化、環境対応自動車のさらなる航続距離の延伸、定置用蓄電システムの小型軽量化等に貢献できる。3社では今後も、同電池の信頼性、安全性などの課題解決に努め、2020年頃の実用化を目指した研究開発に積極的に取り組んでいくという。