埼玉県、マグネシウム蓄電池の実用化に目途
発表日:2016.01.19
埼玉県産業技術総合センター(SAITEC)は、研究開発を続けてきた「マグネシウム蓄電池」について、世界初の実用化に目途をつける画期的な研究成果が得られたと発表した。スマートフォン、ノートパソコンなど身の回りの小型民生用機器の動作には、リチウムイオン電池が欠かせない。しかし、リチウムイオン電池は、電池容量の拡大が限界に近づいていることや、原料のリチウムの安全性が低いこと、レアメタルで高価であることなどの課題がある。今回開発したマグネシウム蓄電池は、原料が安価で豊富であるマグネシウムで、安全性や大容量といった長所を持ったまま、室温での動作の安全性確保と、充放電を繰り返しても劣化を少なくすることに成功したもの。これまで行ってきた研究成果である新材料を使用した正極と新しい電解液を組み合わせることで初めて実現した。SAITECでは今後、電池メーカーや県内企業等と共同開発を行い、安全で小型軽量・大容量なマグネシウム蓄電池の製品化を目指すという。