産総研など、安価かつ環境に優しい共融系液体を利用した二次電池を開発
発表日:2016.06.08
産業技術総合研究所は、三菱自動車工業(株)と共同で、世界で初めて正極側の活物質に共融系液体を利用した二次電池を開発したと発表した。リチウムイオン電池の正極には、コバルトやニッケルなどのレアメタルが用いられている。正極の固体は、繰り返し使用すると、充放電の際の電解質中のリチウムイオンの出入りにより、徐々に構造が壊れていく。今回開発した電池は、レアメタルを含有していない安価な三塩化鉄六水和物と尿素を、共融点組成(最も凝固点が下がったときの組成)で混合して液体とし、これを正極側の活物質として用いたもの。正極側の電解液を別途必要とせず、また固体で問題になる構造劣化が生じないことを特長とする。金属リチウムの負極と組み合わせたところ、電圧が約3.4V、正極側の体積容量141mAh/cm3の二次電池として動作した。今後は、負極側にも共融系液体を用いることにより、実用的な共融系電池の開発を推進するという。
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