国立極地研究所と名古屋大、超高層大気が寒冷化する様子を解明
発表日:2014.09.26
国立極地研究所と名古屋大学は、過去33年間(1981年10月から2013年5月)にわたる欧州非干渉散乱(EISCAT)レーダーの観測データを独自の手法で解析することにより、超高層大気が寒冷化する様子を定量的に明らかにしたと発表した。地球温暖化により超高層大気は寒冷化することがモデル計算で予想されていたが、これまでの観測データに基づく寒冷化の程度は、モデル計算の予測値と大きな違いが生じている状況だった。今回の研究では、EISCATレーダーデータの詳細な解析から、精度の高い温度の長期変動分布を導出した結果、極域の超高層大気は1年あたり約1.4度の温度低下が起きていることが分かった。この結果は、超高層大気の寒冷化が最新のモデル計算結果とも整合的に生じていることを示している。また、地表面に比べて10倍以上も大きな変化をする超高層大気の温度の長期変動を充分に調査していくことが、超高層を飛翔する多くの人工衛星軌道の正確な予測や、地球温暖化の進行を予測する上で重要であることを示しているという。
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