岐阜大、渦位(うずい)に着目した台風の進路形成メカニズム解析方法を開発
発表日:2017.09.20
岐阜大学は、台風の進路形成メカニズムを解析する方法を開発した。現在、台風の進路予報は、観測データと物理法則に基づきコンピュータ計算を行う「数値予報」によって行われているが、台風がなぜその進路をとったのかというメカニズムを説明することはできなかった。今回、「渦位(うずい)」と呼ばれる物理量の特性に着目して風速、温度、気圧データから台風周囲の全渦位を算出し、それを6種類の渦位に分解し、台風自身の渦位を除いた台風の進路に影響を与える5種類の渦位が作り出す風速をそれぞれ推定することで、台風の進路形成メカニズムを解析する方法を開発した。今回の研究を通じて、東北地方太平洋側に初上陸した2016年の台風10号(1610号)の移動に、寒冷渦以外にも下層の積乱雲活動や台風北側の上層高気圧が貢献していたことが新たに解明された。今後はこの解析方法の応用により、異常な進路をとる台風や線状降水帯などの予測精度向上に繋がることが期待されるという。
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