産総研、二酸化炭素からポリウレタン原料を効率的に合成
発表日:2014.09.30
(独)産業技術総合研究所は、二酸化炭素(CO2)とアミン、スズアルコキシド化合物とを反応させて、ポリウレタンの原料として非常に有望な「芳香族ウレタン」を高収率で得る新しい反応プロセスを開発したと発表した。現在、ポリウレタンの製造には、猛毒で腐食性の強いホスゲンが原料として用いられている。また、製造過程で多量の廃棄物が副生するため、より環境に調和した製造プロセスへの転換が強く望まれている。今回、CO2加圧下でアミンとスズアルコキシド化合物を反応させると、芳香族ウレタンが高収率で合成できることを見いだした。この合成法では、スズアルコキシド化合物をアミンと同量以上用いるものの、反応後にスズ残留物を回収し、水を取り除きながらアルコールと反応させるとスズアルコキシド化合物が再生する。次の反応に再使用できるため、反応プロセス全体で消費されるのはCO2と芳香族アミン、アルコールだけであり、しかも化学式上の副生成物は水だけである。また、この方法では、原料などに塩素を一切使用しないという。
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