首都大と北海道大、札幌の都市化が気温の長期変化に及ぼす影響を評価
発表日:2015.06.22
首都大学東京と北海道大学は、札幌の都市化が気温の長期変化に及ぼす影響を評価したと発表した。寒冷域では、地球温暖化や都市化による気温上昇が顕著に現れることが知られている。今回研究チームでは、過去27年分のデータに基づいて領域気候モデルを用いた数値実験を実施し、札幌の地上気温に対する都市化の影響を評価した。その結果、都市化に伴う昇温効果は冬の夜間に強く、夏の日中に弱いという傾向があり、これは季節や時刻によって下層大気の鉛直構造が変化することが原因であることが分かった。また、気象庁による長期観測から推定した都市化に伴う昇温効果でも、数値実験と同様の季節性および時刻依存性が確認された。この成果により、信頼性の高い気候予測を行うためには、観測や数値モデルの改良を通じて大気下層の構造を理解することが重要であることを示した。また、地球温暖化に伴う将来の広域的な気温予測に対して、局地的な都市効果を加味することで、将来の土地被覆変化のシナリオを考慮した詳細な温暖化予測が可能になることが期待されるという。
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