東京理科大など、透明作物を短時間で作製する手法を開発
発表日:2016.02.29
東京理科大学、熊本大学及び奈良先端科学技術大学院大学は、作物を短時間で透明化する手法を開発したと発表した。植物の組織や器官は様々な物質を含んでいるため、光を透過せず植物の内部構造を直接観察できない。そのため、植物の内部構造を解析するためには、多大な時間と労力をかけて切片を作製する必要があり、組織・器官構造を保持したまま直接作物の内部構造を解析する手法の開発が待たれていた。今回研究グループでは、イネやシロイヌナズナなどをわずか数時間のうちに透明化する手法を開発した。その結果、切片を作製することなく、葉・茎・根の表面から内部までの全細胞の形態や組織深部の維管束や葉肉組織の構造を素早く明瞭に観察することが可能になった。また、線虫が感染した根に生じる根瘤内の細胞構造を観察することも可能になった。この成果により、植物の非破壊解析にかかる時間が大幅に短縮でき、作物の品質評価、品種改良、バイオマス定量解析、病害虫感染機構の解明など、農作物研究のスピードアップに大きく貢献することが期待されるという。
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